上海マラソン2019走ってみた

今日は、中国でのマラソン事情をご紹介します。いま、中国では空前の健康ブーム。商業施設に空き物件ができれば新しいジムが開業し、ジムでのトレーニング風景などSNS映えを狙っておじさんも若いお姉さんもスマホ片手に鏡の前に立ってせっせと撮影する姿もよく見かけます。そんな中、マラソンもここ数年人気が急上昇。全国各地でマラソン大会が開催されています。上海や北京といった大都市だけでなく、西安、アモイ、杭州や、他では太原となど日本ではあまり聞きなれないような地方でも町おこしとして開催する都市が増えています。大都市の大規模マラソンになると、なかなか当選するのも難しい状況になってきていますね。

私も上海に赴任してからは健康への意識が高まり、休日はプラタナスの木が立ち並ぶフランス租界の街並みを眺めてのジョギングが習慣になってきました。最近ではPM2.5の影響も数年前よりはだいぶ良くなり、気持ちよく走ることができますよ。そんな中で、会社の同僚中国人から誘いを受け、上海マラソン2019にエントリーすることにしました。私は普段は休日に1時間かけて数キロ走るだけのジョガーですので、いわゆるマラソン初心者です。そんな私の経験をもとに、エントリー準備から当日までの流れなど、簡単にご紹介したいと思います。

エントリーから当選までの流れ

上海国際マラソンは、毎年11月に開催されているマラソンの国際大会です。毎年約2万人以上が参加するイベントで、フルマラソンの他、10キロマラソン、健康マラソンが実施されます。2019年の開催要項を見るとエントリー定数はフルマラソン:25,000人、10キロ:6,000人、健康:7,000人になってました。

一般参加者は8/2にエントリー開始です。その前にやることは、「上馬」というアプリのダウンロード。(上馬とは上海マラソンの中国語である上海馬拉松の略語ですね)

「上馬」のアプリ

まず個人情報を登録(外国籍も登録できます)した後、「比賽報名」をクリックしてください。プレエントリーが完了したら、この画面が出てきます。また、登録した電話番号にもSMSでプレエントリー完了の通知が来ます。

エントリー完了画面

この後は、抽選結果を待つだけです。8月下旬、その抽選結果がSMSで届きます。

当選のお知らせSMS

この通知を受け取ったら、そこで安心してはいけません。↑のメッセージにも記載がありますが、参加費の支払いを完了しないといけないからです。支払いは上馬のアプリ上で完了できます。支払いを済ませてようやく登録完了です。アプリ上はこの画面に移行します。

エントリー完了画面

これでエントリーは完了です。この時点でまだ8月末。Web/アプリ上で必要な作業はもうありませんので、マラソンに向けたフィジカルの準備に集中しましょう。ちなみに私はマラソン経験ゼロ。ハーフすらも走ったことがありません。9月までは休日の1時間ジョギングを継続し、10月に一度限界まで走ってみようとトライしましたが、20キロでリタイアしてしまいました。ただ、ここで1キロあたりの所要時間とペースの感覚がつかめた事は大きかったです。1キロ6分半~7分ペースであれば体力的な問題はないことが確認できました。

上海マラソン直前にすること

マラソン本番の10日ほど前に、SMSにてゼッケンを取りに行くように連絡がきます。本番は11/17(日)、その前の木、金、土曜のいずれかに取りに行けばOK。土曜日は上海以外から参加する前泊参加者で混みあうため、上海在住の私は金曜に受け取りに行きました。場所は浦東世博博覧館。入口でパスポートを提示し、整理番号を受け取ります。それをもって入館し、エスカレータで2階へ。番号別の受け取りブースで記念Tシャツ、ゼッケンなどが入ったリュックをもらえます。試着コーナーがあるので自分のTシャツサイズを事前に確認しておきましょう。また、このリュックは当日の着替え入れにも使えます。ゼッケン受け取り会場は、プレイベントとしてはかなり大きな規模。会場全体にマラソン関連グッズ販売の企業ブースがあり、とにかく何でも揃います。また、参加者全員のネームリストボードがあり、参加者たちは自分の名前を見つけて記念写真を撮っていました。

プレイベント会場(ゼッケン受け取り)

上海マラソン当日

そしていよいよマラソン当日を迎えます。当日は7時号砲。スタート地点は上海一の観光スポット外灘(Bund)です。ゼッケン番号はA~Dで始まりますが、A→D順でブロックごとにスタートします。まずはブロック別で荷物回収ポイントがあり、収納トラックが停車しています。そのトラック周辺で上着などを脱ぎ、リュックに入れてトラック前のスタッフに渡します。リュックにもゼッケン番号が張り付けてあるため、ゴール地点で受け取る仕組みです。この日は最高気温22度とかなり暖かかったのですが、早朝はそれでもかなり寒いので、ビニールカッパなど、一時的な防寒対策をしたほうがいいでしょう。トラック周りでも無料のビニール製マントのようなものを配布していますので私はそれを利用しました。

スタート地点に向かうランナー達(南京東路周辺)

そしてスタート地点に向かいます。私はCブロックでしたのでC地点で号砲を待ちます。なお、スタート地点近辺には仮設トイレもたくさんありますのでご安心ください。そして7時に号砲。Cブロックの私は7:15頃にスタートゲートをくぐり抜けました。コースは、外灘から新天地を経て、上海中心部を走りぬけ、後半は南方面から黄浦江沿いを往復するものです。詳しくは↓を参考に。

上海マラソン2019コース

また、コース各所にプロのカメラマンが立っています。レース終了後にアプリ上の顔認識で自身の写真を無料でダウンロードできますので、カメラ前ではランナーたちは手を振り笑顔を振りまいていました。レースにはいろんな参加者が走っています。賞金狙いのアフリカ人ランナー、腰にラジカセを巻いて大音量で走るランナー、仮装ランナーの他、医療関係などの所属団体のTシャツを着て参加しているランナーも多く見かけました。また、沿道でも多くの市民が、加油!加油!と声援をかけてくれます。主催者が準備した公式な沿道応援も各地点でランナーを鼓舞してくれます。ロックバンド、チアダンス、フラメンゴダンスなどなど、様々楽しませてくれますよ。また、給水ポイントでは、スポーツドリンクや水の他、バナナやチョコレートなどエナジー補給食も用意されています。

沿道のチアリーダー

初マラソンだった私も中間地点までは1キロ6分30秒ペースで快走していましたが、いわゆる35キロ地点の壁が、中間地点で早くも襲ってきました。とにかく、足が痛くて前に進みません。ペースメーカーランナーは4時間半ペース、5時間ペースなど30分間隔で走っているのですが、ずいぶん引き離したはずの5時間半ペースメーカーと抜きつ抜かれつの展開がその後続きました。休憩地点で歩いてはまた走り、の繰り返しです。マラソンは自分との戦いとよく言いますよね。これがマラソンの醍醐味の一つなんですね。

ゴール地点

さて、ゴール地点は上海体育場です。最後はトラックを回りゴールするのですが、私もなんとか5時間27分で初マラソン完走しました。ゴールするとしばらくしてSMSでタイムが送られてきます。スタート地点とゴール地点のセンサーで顔かゼッケン?を認識をし、個人タイムを記録しています。

個人記録のSMS

ゴール地点を超えたら、そのまま誘導に沿って参加記念の袋(バスタオルやバナナが入ってます)をもらい、スタート地点で預けた荷物を特定エリアで受け取り、帰宅となります。参加記念の中にウェスティンホテル提供の低反発スリッパが入っており、これは助かりました。あとは後日、上馬のアプリから写真をダウンロードすれば大会の思い出を保存できます。2019年は最高気温22度と少し暑すぎましたが、天候に恵まれ、沿道の応援も素晴らしく、またこの場に戻ってきたいと思える大会でした。皆さんも是非ご参加してみては。8月にエントリー開始しますよ!

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